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| 神奈川県川崎市のとある駅。迎えにきてくださった山田佳一朗さんはデザイナーという肩書きから勝手に描いていたイメージとは違い、とても気さくな雰囲気。すぐに緊張がほぐされた。案内してもらった仕事場は都心から30分弱というのが嘘のような、ゆっくり時間が流れる昔ながらの日本家屋。園芸農家であるご実家に間借りしているのだという。風が吹き抜ける気持ちいい室内。カップ&ソーサーTOTEMPOLEはここで誕生した。 |
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| 山田さんの仕事場。デザイン画や作品のプロトタイプがぎっしり。 |
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「もともと絵やものをつくるのが好きでしたね。親に絵を描いてとせがむうるさい子どもで、それなら自分で描きなさいと幼稚園に併設された絵画教室に入れられ、結局中学までつづけてました」と話す山田さん。どうやらデザインの道を歩むのは自然なことだったらしい。その後、武蔵野美術大学インテリアデザインコースに進学、卒業後は同研究室の助手を6年務め退職、ヨーロッパへ旅たつ。「もうやりたいことをとにかくやろう」と、デザインと建築をテーマに各地をまわる。そして念願のミラノサローネ(毎年、世界の一流家具デザインの新作が発表されることで注目される家具国際見本市)へ。「衝撃を受けました。どのブースにも人があふれていて、メーカーもデザイナーも本気。いいものは次々に商品化されていく。今まで学生と先生だけの世界にいたから、こういう文化があるのだと思った。」そして来年は自分も出ようと決意し、翌2004年若手デザイナーを対象としたミラノサローネサテリテに出展を果たす。 |
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| 山田さんが手掛けるプロダクトはテーブルのように大きなものからペーパーナイフまで様々。でも共通して言えるのは、見た目だけではなく使い心地もいいということ。「機能性と美しさ、その両方が実現しているものが好きなんです。」 |
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| TOTEMPOLEが誕生した経緯についてたずねると、「最初はこれだったんです」と一客のカップ&ソーサーを見せてくれた。Arm on Waist≠ニいう名の、腰に手をあてた女性をかたどった曲線を描くそれは、まるでフォルム全体が一体であるかのように見え、美しい。「カップ&ソーサーは本体、取手、皿の3つのパーツからなるんですが、それを一つのものとしてきれいに見えるものがつくりたかった。」TOTEMPOLEはそのArm on Waistにさらに機能性をもたせたもの。カップがスタッキングでき収納に便利であるほか、カップとソーサーがぴったりとフィットするから持ち運びも安心。取手はもちやすさを考え作られているだけではなく、重ねた時に波のようにつながるようデザインされている。そんな山田さんらしい作品だ。 | ![]() |
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| その白と淡いグレーの色については「釉薬を相当試して、珈琲や紅茶を淹れた時に一番きれいな色がこの色だった。」TOTEMPOLEの写真が印刷されたパッケージボックスも、取手の曲線をモチーフにしたそのロゴも山田さんによるもの。とにかく徹底的にこだわってつくったというだけあり、完成した時はデザインから2年が経っていた。 |
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| TOTEMPOLEのデザイン画(左)。デザイン画は日に何十枚も描くという。 |
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| 作品は、暮らしの中で不便だと感じたことをきっかけに生み出されるという。「こんなものがあったらいいなと手を動かし、作品として結晶します。」TOTEMPOLEをスタッキングできるようにしたのは「うちの食器棚が食器でいっぱいで、きれいに重なるものが欲しかった」からだし、その容量160mlというのは「すみません。僕の好きな量だからなんです(笑)。」だから自分でデザインしたものは、もちろん愛用。「TOTEMPOLEは洗いものをしている時、便利だなと感じますね。重ねられるからシンクがいっぱいにならない。」そんな言葉にも説得力がある。 これからも変わらぬ姿勢で暮らしを豊かにするものを手掛けたいと話す山田さん。どんなプロダクトが創造されるのか楽しみだ。 |
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| 自分がデザインしたものは、自分でも日々使っている。 |
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